最新鋭のAIと第二言語習得理論を組み合わせたAI英会話アプリ「スピークバディ」を開発、提供する株式会社スピークバディ。2024年10月現在で400万ダウンロードを突破し、さらに100社を超える企業や自治体・学校法人等で導入されるなど、急成長を続ける同社では、BtoC、BtoB両方のサービスのグロースにデータを活用している。

今回は、アナリティクスツールからのデータ取得の自動化と、法人のお客さま向けに提供するダッシュボードの提供のために「TROCCO®︎」を導入いただいた。「TROCCO®︎」導入の背景にあった課題や導入の決め手、データ基盤の構築によって得られた成果について、ご担当者様にお話を伺った。

課題・問題

単純作業を効率化し、サービスをグロースさせるクリエイティブな仕事にリソースを割きたい

株式会社スピークバディ アプリ事業部 グロースリード 添野 紘生様
貴社のサービスとデータ活用の取り組みについてお聞かせください。

添野 紘生様(以下、敬称略):スピーキング特化のAI英会話アプリ「スピークバディ」は2024年10月現在で累計400万ダウンロードを突破しました。生成AIや音声認識、自然言語処理、機械学習などのテクノロジーを活用し、アプリ内でキャラクター(AIバディ)と実践的な英会話をできることが特徴です。

もう一つのサービスがスピーキング特化型英語コーチング「コーチバディ」です。海外駐在や英語を使う頻度が高い部署への異動など、緊急度高く英会話を習得したい方が、短期間でレベルアップするためにご利用いただくことが多いサービスです。個人のお客さまはもちろん、法人向けのサービスとしてもオンライン英語コーチングを展開しています。 今回の取り組みでは、「スピークバディ」に「TROCCO®︎」を導入し、データ活用を進めています。

「TROCCO®」を導入いただく前には、どのようにデータを活用されていたのでしょうか。

添野:「TROCCO®」を導入する前から、AI英会話アプリ「スピークバディ」のユーザー行動の分析には外資系企業が開発、運営するアナリティクスツールを使用していました。

アプリ上で施策を実施する際には、アナリティクスツール上のダッシュボードを参考にしていました。しかし週次・月次の経営層との振り返りに使用する資料の作成には、アナリティクスツール上のデータ、課金率やリテンション率といったプロダクトのLTVに関する数字をすべてGoogle スプレッドシート(以下、スプレッドシート)に手入力したものを利用していました。

「TROCCO®︎」導入の背景にあった課題をお聞かせください。

添野:これまで経営陣や関係部署とのミーティングに用いるレポート作成や、そのためのデータの入力に月15時間ほど時間が取られていました。その他にも、データの手入力にはヒューマンエラーによる入力ミスの可能性が残ること、リアルタイムの数字を反映できないこと、データ反映の業務が属人化していたことに悩んでいました。

また「スピークバディ」を法人契約いただいた人事担当者さまから、社内でしっかりアプリが活用されているのか、アプリ内でどの程度まで学習が進んでいるのかを確認したいといったご要望をいただいていました。しかし以前の仕組みでは、こちらのデータ提供にも手動でのデータ入力が必要でした。要望を受けるごとに担当者の対応リソースが削られてしまうため、お客さまご自身で確認いただけるダッシュボードをご用意することになりました。

なぜ「TROCCO®︎」を選んだのか

決め手は「最新の使いやすいUI」。MacOSにも対応

株式会社スピークバディ アプリ事業部 データアナリスト 廣田 真菜様
ETLサービスの導入を決めたきっかけをお聞かせください。

添野:廣田がデータアナリストとして入社し、分析業務にリソースを割けるようになったことがきっかけです。他方でデータエンジニアの採用も検討してはいたのですが、人件費を考慮すると、サービスを活用してデータパイプラインを構築したほうがコストを抑えられると最終的に判断しました。

そこから「ETL サービス比較」などのキーワードで検索し、情報を収集しました。

ETLサービスを比較検討する際に、どのような要素を重視しましたか。

添野:使いやすいUIであることが最も重要だと考えていました。当時比較検討していた他社のETLサービスは情報量が多く、いかにも“管理画面”といった印象を持ちました。一方「TROCCO®」はシンプルで操作しやすいUIだと思います。また、他社のETLツールではMacOS環境で動作しなかったのですが、「TROCCO®」はOSを選ばない点もよかったです。

TROCCO®︎導入の決め手
社内決裁にあたって、どのような工夫をしましたか。

添野:月に15時間もデータ入力作業に費やしていることを率直に伝えました。「TROCCO®」の導入によってデータ連携を自動化できれば、どのような業務にリソースを割けるようになるのか、サービスのグロースに対してどのように貢献できるのかを説明しました。また、比較検討のリストも提示し、他社のETLツールに対する「TROCCO®」の優位性も説明しています。その結果、データドリブンであることを重視する経営層からスムーズに理解が得られ、「TROCCO®」の導入が決定しました。

導入までのスケジュール・過程

ワークフロー機能で毎日のサブスク利用者数をSlackから確認できるように

「TROCCO®」の導入はどのように進行しましたか。

廣田 真菜様(以下、敬称略):2021年9月頃に契約し「TROCCO®」を導入しました。導入から運用が軌道に乗るまではおよそ3ヶ月ほどです。

まず最初に着手したのが、ユーザーの行動データを蓄積しているMySQLと既存のアナリティクスツールからBigQueryへのデータ転送の設定でした。その後、アプリストアの広告データを統合するため、Apple Search AdsやGoogle Ads、Yahoo!検索広告などのデータもBigQueryへ転送、統合し、ユーザーの行動データとともにBIツールのLooker Studioに出力する、というデータ基盤を構築しました。

TROCCO®︎導入前後の構成の変化

現在は「TROCCO®」のワークフロー機能を活用し、週次でスケジュール実行されるように設定しています。また、アプリストアから得られるサブスク利用者数については、毎日スケジュール実行され、Slack通知で社員に共有される仕組みを作りました。これによって日々の広告がうまく回っているのか、サブスク利用者数が増減しているのかを日々確認しながら施策を進められています

法人向けサービスにおけるデータ活用は、どのように進行しましたか。

廣田:法人向けサービスをご契約いただいている企業の人事担当者さまに、社内のアプリ活用状況をご確認いただけるダッシュボードを2024年の春頃から提供を開始しました。以前の仕組みでは、弊社の営業担当者がスプレッドシートに手入力し、お客さまにレポートとして展開していました。現在は、MySQL内のユーザーの行動データを「TROCCO®」でBigQueryへ転送し、BIツールのLooker Studioのダッシュボードをお客さまに提供しています。

TROCCO®︎導入・活用までの流れ

導入後の効果

データ転送にかかった月900分の作業が月60分に!法人向けのダッシュボードも高評価

「TROCCO®」の導入によって、どのような成果を得ることができましたか。

廣田:以前は手入力で対応していたユーザー行動のデータ転送ですが、現在は「TROCCO®」によって自動化できたことで月60〜120分ほどに削減できました。アナリティクスツール側の問題で一部手入力作業が残ってはいるものの、大きく効率化できたと考えています。それによって当初の狙い通り、入力作業以外の業務に時間を割けるようになったことが大きな成果ですね。

また、最近では一部残っているデータ入力作業もインターン生に任せることができています。もし「TROCCO®」による自動化ができておらず、ゼロベースでデータを入力する体制が続いていたら任せることは難しかったでしょう。

法人のお客さまに展開されたダッシュボードについては、どのような反応がありましたか。

廣田:つい先日、「学習の進捗や効果を社員へレビューできるようになり、人事担当者目線で助かります」とのコメントをいただきました。以前のレポートや管理画面について直接お客さまからお褒めのお言葉をいただいたことがなかったため、お客さま満足度の向上にもつながっているのではと感じています。

法人向けのダッシュボードイメージ
※ 数値はすべてダミーです。実際に使用しているものとは異なります。

また、弊社の営業担当者による営業活動にも変化がありました。法人向けの「スピークバディ」をお客さまにご提案する際、よく「アプリの英会話はなかなか続かないのでは」との懸念の言葉をいただきます。同じご懸念に対して、今後は実際のデータをもとに「朝にアプリを開く習慣が根づけば続けられます」といったご提案ができるようになったのです。データを分析したことで得られたノウハウや他社の成功事例を活用することで、提案内容に説得力を持たせることができました。

今後の展望

分析だけでなく、データサイエンスやデータエンジニアリングの領域にも挑戦したい

今後のデータ活用の展望をお聞かせください。

添野:これまで弊社ではデータのアナリティクスには力を入れてきましたが、データサイエンスとデータエンジニアリングの領域はまだ成長の余地が大きくあると思っています「TROCCO®」を今後さらに活用することでデータサイエンスとデータエンジニアリングに注力し、「スピークバディ」をグロースさせていきたいですね。

もう一つは、アプリ事業部が持っているノウハウを活かし、コーチング事業部といった他の事業部のデータ活用にも貢献していきたいと思います。もともとデータドリブンの意識が高い会社ですが、一段とさらにデータ活用のレベルを引き上げられたらと思います。

データ活用に悩んでいる方へアドバイスをお願いします。

添野:どんなスタートアップでもどんな大企業でも、単純な入力作業を減らし、よりクリエイティブな仕事にリソースを割くことは重要です。「TROCCO®」でデータ転送を自動化し、重要度が高い仕事により時間をかけられるようになりました。データにあまり馴染みがない方への説得は簡単ではないかもしれませんが、挑戦しただけの成果が得られると思いますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

データ分析基盤の構築・運用は
TROCCO®️におまかせ。

ETL/ELTパイプライン構築やワークフローなどを、SaaS上で実現。データエンジニアの工数を削減して、分析やクリエイティブな業務に集中しましょう。

製品資料をダウンロード

株式会社スピークバディ

https://www.speakbuddy.com/

業種教育IT業界
設立2013年5月
従業員数---
事業内容AI英会話アプリ「スピークバディ」の企画・開発・運営、オンライン英語コーチング「コーチバディ」の企画・運営、英語学習者の悩みにプロの英語コーチが回答するQ&Aメディア「スピークバディ 英語学習Q&A」の運営、AI英会話アプリ「スピークバディ」および「コーチバディ」の法人向け提供