「いい会社じゃなく いい人生に出逢える場所」をサービスのミッションに掲げ、主に新卒領域の人材紹介サービスを展開する株式会社irodas。2017年に創業、大阪府に拠点を置き、毎年150%の成長を続けている同社では、SFAツールやMAツール、データウェアハウスを導入し、顧客管理による生産性の向上に取り組んでいる。

その一環として取り組んでいたデータ活用では、データ転送にさまざまな課題を感じており、それらの解決を目的に「TROCCO」を導入いただいた。取り組みの背景にあった課題や効果、データ活用における今後の展望について、ご担当者様にお話を伺った。

課題・問題

SFAツールとMAツールで、企業と学生を管理。データ分析やバックアップ、転送業務の時間に課題感

株式会社irodas 事業企画 開発責任者 小漆間 拓人様
貴社の事業内容とご担当者様の業務内容について教えてください。

小漆間 拓人様(以下、敬称略):弊社では「1億色を創る」をビジョンに掲げ、人の可能性に向き合うキャリア支援企業して主に新卒採用領域のサービスを展開しています。2024年6月現在、企業様に新卒人材を紹介する「irodas新卒エージェント」やエンジニア就活に特化した「irodasTech」、そして新卒人材向けのキャリア支援サービス「irodasSALON」の3つを展開しています。

弊社では、特に学生さまに向けて「キャリア教育を提供している」という感覚を大切にしていまして、就職はあくまでも自己実現の手段であり、ゴールではなく過程であると学生さまに伝えてきました。こうした事業展開の結果、2017年7月7日の創業以降、毎年150%の成長を続けており、初回面談参加者は累計4万名を突破しています。

私が所属する事業企画部では、全従業員の生産性の向上を目的に社内システムの開発、維持を担っています。今後もさらに社員数が増えたとしても、生産性を常に担保し続けていくこと、そして利益を出しつつもしっかり社員のワークライフバランスに取り組んでいくことが当面のミッションです。

事業企画部のデータ活用についてお聞かせください。

小漆間:弊社では、Salesforce、HubSpot、Google BigQueryをベースとした顧客管理システムを構築しています。

人材紹介というビジネスモデルでは、人材を求める企業さまと、就職先を探す学生さまという、2種類のお客さまに対してアプローチをしていきます。しかし、たいていのSFAツールやMAツールは1つの属性のお客さましか管理できない仕組みのため、人材紹介のビジネスモデルとは微妙に噛み合わないのです。

そこで弊社では企業さまの管理にSalesforceを、学生さまの管理にHubSpotを使用しています。Google BigQueryは、この2つのシステム上の顧客データをバックアップする目的で使用しています。

貴社のデータ活用では、どのような課題がありましたか。

小漆間:課題は大きく3つです。まず1つは、企業さまと学生さまのデータを別のSaaSで管理しているため、データを統合した分析が難しかったことです。どの学生さまがどのような企業から承諾を得やすいのかといった、一気通貫の分析に時間と手間が非常にかかっていたのです。

2つ目の課題は、データのバックアップに時間がかかりすぎてしまうことです。契約しているプランによっても変わりますが、基本的にSaaSでは蓄積できるデータ量に上限があります。現在、Salesforce上には5万データが、HubSpot上には30万ものデータが蓄積されています。定期的にこれらのSalesforceとHubSpotのデータをGoogle BigQueryへ手動で転送していたのですが、データ量の問題からいくつかに分割して転送していたため、毎月60時間もかかる上に細かいミスが発生していました。

3つ目の課題は、経営戦略の立案や意思決定に対して、より正確で新鮮なデータを提供しきれていなかったことです。SaaS上のデータは営業担当者が日々の業務で更新しているのですが、デイリーで集計できていないため前日比のデータが蓄積されていませんでした。よりリアルタイムな戦略を策定するために前日比の分析を行いたいとの要望を受けていたため、どうにか解決できないかと考えていました。

導入検討時のシステムイメージ図

なぜ「TROCCO」を選んだのか

決め手は手厚く迅速なサポート。月60時間のデータ転送業務の削減を期待

どのようなきっかけで「TROCCO」を知りましたか?また、比較検討の際に重視した要素を教えてください。

小漆間:当時はまだETLツールを知らなかったため、iPaaSでデータ転送業務を自動化する方法を検討していました。しかし、ツールの利用料が高額で、構築も簡単ではなさそうでした。別のソリューションを検索する中で、ETLツールと「TROCCO」を知りました。

比較検討する際に重視したのは、日本の企業が開発、サポートしているサービスであることです。初めてのETLツールでしたし、データ活用にはまだまだ分からないことも多いため、こちらからの質問に迅速に返信し、サポートしてくれるサービスを求めていました。

機能面としては、毎日1回指定した時間に起動してデータを転送できることを求めていました。業務が終わった夜間にデータが転送され、出勤した翌朝には昨日のデータが転送されている状態が理想です。

「TROCCO」を導入された決め手をお聞かせください。

小漆間:一番の決め手はサポートが手厚く、迅速だったことです。他社の場合、こちらから質問をしても2日かけてやっと返信いただけるようなスピードでした。なるべく早く動き出したいと考えていたので、お見積りの段階で時間がかかってしまうのであれば、導入後のサポートも時間がかかってしまいそうだと感じました。

しかし、primeNumberの方は見積り依頼や質問に対して、迅速にご回答いただけたため、安心することができたのです。当時は私がタスクを抱えすぎていることを経営層が不安視していたのですが、primeNumber社からサポートを受けられるので問題なくデータ活用を進められると説得することができました。その他にも、データ転送にかかっていた月60時間を削減できそうだという試算を提示し、無事に社内の合意を得られたため、「TROCCO」の導入を決定しました。

TROCCOの決め手

導入までのスケジュール・過程

導入時のサポートだけでなく、プラスアルファの提案でデータ活用の知識が深まった

「TROCCO」の導入はどのように進行しましたか。

小漆間:初めて「TROCCO」を操作した時、「何て便利なツールなんだ!」という感想でした。iPaaSのような業務の自動化ツールは知っていましたが、ワークフローを組んで大容量のデータを転送するという体験は初めてのことで「データは奥が深いな」と改めて実感させられました。2023年4月から導入が始まり、およそ1ヶ月後にはSalesforceとHubSpotのデータをGoogle BigQueryへ自動転送するフローが稼働し始めています。

デイリーの数字といった今すぐ確認したいデータについてはそれぞれのSaaSのダッシュボードで確認し、もっと過去のデータを含めて分析したいときは、Google BigQueryでSQLを書いてデータを呼び出しています。日付順にデータを蓄積しているので、以前よりも検索しやすくなったと感じます。

「TROCCO」の導入にあたって、どのようなサポートが印象に残っていますか。

小漆間:導入前の見込み通り、こちらからの質問に対するご案内の文章量や丁寧さも高評価でした。こちらからの悩みに対する解決策にとどまらず、「他にもこんな機能もありますよ」というプラスアルファの提案もあり、データ転送に対する知識が深まりました。

また迅速な返信のおかげで弊社のスピード感にマッチしており、とても助かっています。「何かトラブルが起きたとしても、primeNumberの方に聞けば大丈夫だろう」という安心感のおかげで、データ活用をどんどん前に進めることができたと思います。私もこれまでさまざまなSaaSやBtoBサービスを利用してきましたが、サポートの費用を別途支払っていないにも関わらず、手厚いサポートを受けられるのはprimeNumber社以外に知りません。

統合したデータは、どのようなシーンに活用していますか。

小漆間:データをよく活用しているのは経営会議とマーケティング会議ですね。SQLを書いて整理したうえで、どのくらいの学生さまがいつ、どのチャネルから流入してきたのかを分析し、今後の打ち手や広告費の差配に日々反映しています。

分析用のデータを作成する際によく利用している機能がデータマート生成です。SQLエディタ上で変換処理を書き、実行させるだけでデータマートを作成できます。ほぼノーコードのため、コーディングについて十分な知識がなくともオペレーションは実行可能です。

TROCCO導入までの流れ

導入後の効果

月60時間かかっていたデータ転送の業務が0時間になり、データ転送のミスも0に!

「TROCCO」の導入によって、どのような成果を得ることができましたか。

小漆間:私が手動で対応して毎月60時間かかっていたデータ転送業務が、0時間になったのは本当に大きな成果だと感じています。人件費換算で考えても「TROCCO」の毎月の利用料以上のコスト削減です。データ転送という単純作業の時間がなくなり、会社全体の生産性向上という本来のコアミッションに時間を割けるようになりました。

もう1つの定量的な成果が、データ転送時のエラーが0になったことです。以前は手作業でデータを転送していたため、列を間違えてインポートしてしまったり、データ転送中にWi-Fiが切れて失敗してしまったりと、ミスが絶えませんでした。ミスが発生すれば、バックアップデータを確認して修正する手間なども発生します。ミスにもよりますが、1つのミスで修正に5時間もかかってしまうこともあり、そうなると通常業務にも支障が出ていました。

データ転送には私のPCを使用していたのですが、PC処理に負荷がかかりすぎるとPCでその他の作業ができなくなることも。こうしたデータ転送時の課題はすべてクリアされています。

「TROCCO」の導入で、以前抱えていた課題は解決されましたか。

小漆間:Salesforce、HubSpotのデータを統合したことで、累積値での分析ができる環境になりました。一気通貫で過去のデータを確認することができるため、経営層やマーケティングからの要望に対して幅広く対応できます。

データのバックアップについての課題も解決できています。少し前にも、Salesforce上のデータ保存期限を過ぎてしまって確認できなくなった企業様との接点に関するデータも、Google BigQueryからデータを確認してみるとしっかりデータが残っていたことがありました。

今後の展望

参入障壁が低く、競争が激しい人材業界だからこそ、データ活用で差別化を

今後の展望を教えてください。

小漆間:毎年150%の成長を今後も続けていくとなれば、自ずと想定していなかった課題があちこちから発生すると思います。今までは必要がなかった規律の作成と運用や業務の整備などに取り組んでいかねばなりません。今回の「TROCCO」の導入によって、そうした社内体制の強化に時間と手間を避けるようになったと実感しています。

「データ活用」という側面では、よりデータドリブンな意思決定が下せるような環境つくりを進めていきたいですね。特に人材紹介事業は、資本金に関するハードルを除けば参入障壁が低く、業務の生産性など度外視で事業を進める企業も珍しくありません。

しっかりと差別化を図る意味でも、データをしっかり活用し、業務の生産性向上と社員とワークライフバランスに取り組んでいきたいと考えています。

人材業界におけるデータ活用について、アドバイスをお願いします。

小漆間:本来活用できたはずの大量のデータが現場に埋もれてしまっているままの企業は珍しくないと思います。そうしたデータ未活用の状況に少しでも違和感があったら、データウェアハウスやETLツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。その際にprimeNumber社へ相談してみれば、セミナーの紹介や「TROCCO」によるデータ基盤の構築など、さまざまな形でデータ活用への第一歩が踏み出せるはずです。

株式会社irodas

https://irodas.com/

業種IT業界
設立2017年7月
従業員数120名(インターン生を含む)
事業内容新卒人材紹介事業