お客様の「めんどくさい」を「イノベーション」で解決するという経営理念の下、企業の業務効率化を支援しコスト削減を実現する「一括請求サービス/ゼネラルインボイス」や「集合住宅向けのインターネットサービス」を提供する株式会社インボイス。

主にBtoBサービスを手掛けている同社では、営業と顧客管理の効率化を目的にSFAやMA、CRMといったツールを導入している。しかしツールごとに顧客情報が保存されており、ツール間のデータ連携に課題を感じていた。データを整理し統合するために「TROCCO®」を導入している。お取り組みの背景と効果、今後の展望についてお話を伺った。

インボイス様の「データ整備・活用」のより具体的な内容を知りたい方は、 2022年3月10日に実施したオンラインセミナーのアーカイブ動画をご覧ください。

導入のきっかけ

営業と顧客管理のデータ連携に課題感。スクラッチ開発の場合、1,000万規模の試算も

「TROCCO®」導入の背景をお聞かせください。

渡邉 貴之 様(以下、敬称略):市場の変化で新規の商談を作りにくくなったため、既存の顧客管理にデータを活用することで、商談を増やしていくことになりました。

現在、顧客リスト上では17,000社のお客様と取引があるものの、全体の2割前後しかアクティブな接点がありません。また、名刺データは5,6万件、リード情報全体は10万件近くもあるものの、決められたアプローチはなされていませんでした。

Gi事業部 事業推進部 課長代理 渡邉 貴之 様

渡邉:営業と顧客管理における課題から、MAやSFA、ABMといったツールをいくつか導入してきた経緯があります。しかしその一方で、ツール間連携は何も考えられていなかったため、同じお客様のデータにもかかわらず、ツールごと別々に管理されていたのです。

1つのツールから得られる情報は断片的で、結局は人の手でデータを集約せねばならず、インサイドセールスとフィールドセールス間の連携がスムーズではありませんでした。

営業と顧客管理の課題を受けて、どのようなアクションを取られたのでしょうか。

渡邉:ツール側の担当者の方に相談したところ、ツール間連携の機能は実装されていないため、スクラッチ開発するしかないと伝えられました。その場合、開発コストが1,000万規模になり、しかもリリースまでに1年以上かかるとも伝えられたのです。

もちろん、APIでスムーズに連携できるツールへの乗り換えも検討しました。しかし新しいツールへデータを移行するには時間もリソースも掛かりますし、すべてのデータがうまく連携されないリスクもあるため、見送りました。

「一刻も早く、ツール間のデータ連携を実現したい」と悩んでいたときに出会ったのが、「TROCCO®」でした。「データ統合」という言葉に最初はピンときていませんでしたが、担当の方にご説明いただく中で理解が深まり、スクラッチ開発に比べて圧倒的に開発工数が下がること、そして時間が掛からないことに魅力を感じました。ご提案いただいた内容が弊社の事情に合ったものでしたので、他社ツールとの比較検討なしで導入を決定しています。

導入・構築について

ゴールはMAとCRM/SFAの自動データ連携。サポート内容を高く評価

今回のプロジェクトにおけるゴールをお聞かせください。

渡邉:「TROCCO®」の導入で大きく2つのスコープを設定しました。まず1つがツール間で双方向にリード情報及び顧客データを連携させること。そしてもう1つが、コンバージョンを自動で案件化してくれることでした。

以前は、資料ダウンロードや問い合わせといったコンバージョンが発生した場合、MAの「Marketo(マルケト)」でリード情報を確認し、その後は顧客管理に使用しているCRM/SFAの「eセールスマネージャー」というツール内で一つひとつ手作業で案件を入力していました。手作業では時間も手間も掛かるため、自動で案件を作成できる機能は必須でした。

理想はコンバージョンが発生した翌日には、案件が自動でインサイドセールスに連携されている状態です。

「TROCCO®」運用が軌道に乗るまでの詳細をお聞かせください。

渡邉:データを連携させるにあたって、「どのツールのデータをどこまで相互連携させるか」「どのデータ項目をキーとするか」といった要件定義が一番の焦点でした。

打ち合わせのたび、こちらの要望をお伝えすると論点を整理した上で提案いただけたことが印象に残っています。弊社は社内にデータエンジニアがおりませんでしたので、かなり助かっていますね。テスト期間もエラーが出てきた際は丁寧に対応いただけました。

「TROCCO®」導入でどのように業務フローは変化しましたか。

渡邉:MAとSFA間でデータが連携したため、リアルタイムでインサイドセールスの担当者に獲得した新規リードを渡すことができるようになっています。

以前はメールで一つひとつ送っていたので、見落としによる漏れが心配でした。しかしリアルタイムでデータを連携できるようになったことで、お客様の検討度合いや温度感を見逃すことなく、最適なタイミングでアプローチできるようになっています。

また、データ連携の業務フローが「翌朝までにデータ連携」と一定に定まったことで、インサイドセールスの通常業務にもすんなり馴染むことができました。

導入後の効果

コンバージョン数が当初の50倍近くに!半日掛かっていたデータ連携業務は“0”に

「TROCCO®」導入の成果をお聞かせください。

渡邉:リードや顧客情報のデータを分析した結果、イベントやメルマガといった集客施策のターゲットを定めやすくなったと感じています。これまではそれぞれのツールの管理画面で顧客データをダウンロードしないと分析できませんでしたが、1つのツールで完結するようになったことは大きな成果です。

阿部 真也 様(以下、敬称略):昨今のコロナ禍で各部門の予算が少しずつ減らされているなか、今回の「TROCCO®」を含め、事業推進部のツール予算は概ね予定どおり承認されています。これは経営側もデータへの投資は必要不可欠なものと判断しているからでしょう。

Gi事業部 事業推進部 課長代理
阿部 真也 様
インサイドセールスの方々からのご感想をお聞かせください。

阿部:一番高評価されているポイントは、架電前にお客様の情報をスムーズに、かつ取りこぼしなく確認できるようになったことです。

「なぜ私はお客様に電話をかけたのか」が明確であればあるほど、お客様にとって営業電話が無駄なものではなくなり、アポ獲得の成功確率も上がります。インサイドセールスのモチベーションも向上することで、今後のアクション数や成約率も向上していくはずです。

また、フィールドセールスの担当者の中には、インサイドセールスからアポ獲得の連絡をただ待つのではなく、一緒に顧客の情報を確認し「どのフラグが立っているのか」「どのようなシナリオでコンバージョンしたのか」「どのくらいホットか」を確認して営業戦略に生かしている人もいます。

定量的な成果をお聞かせください。

渡邉:コンバージョン数やアポの獲得率は飛躍的に増えてきています。直近ではコンバージョンからアポの獲得に繋がった割合はおよそ10%ぐらいです。

肌感覚ですが、以前は月におよそ10件のコンバージョン獲得が今では500件近くになっています。インサイドセールスが一つひとつ対応するため、ちょっと大変なくらいですね。

また、データを入力する手間も大きく削減できました。以前であれば私が半日つきっきりで対応していた作業が5分で終わるようになりました。おかげで、本来やるべきだった業務に集中することができています。

今後の展望

「すべてのツールで同じ顧客情報を管理する」を実現し、今後は別分野での活用も

今後の「TROCCO®」活用の展望をお聞かせください。

阿部契約までの検討期間が長いBtoBマーケティングでは、お客様が思い立った瞬間をキャッチし、最適なタイミングで適切なサービスをご提案することが重要です。

そのためにも、データを活用してお客様のWeb上の動きを追い、インサイドセールスやフィールドセールスとのコミュニケーションでリアルの動きを追っていくという、両面からアプローチする仕組みが必要になってきます。特にデータ活用の部分については「TROCCO®」を導入していますので、今後ツールが増えた場合でも安心してデータを連携していけますね。

また、primeNumber社のご担当者からは、今回の取り組み以外でのデータ活用もできるとご提案いただいていますので、さらなる業務効率化を目指して取り組んでいければと思います。

今回のお取り組みにおいて、「TROCCO®」はどのような存在でしょうか。

渡邉一言で表すと「想像を形にするツール」です。「すべてのツールで同じ顧客情報を管理する」という理想のイメージはできていたのですが、なかなか形にすることができませんでした。しかし「TROCCO®」は、そんな想像をスコープ通りに形として実現し、現在では営業の効率化やリード数増加にも繋がっています。

SFAやCRM、MAなど、昨今は営業に関するツールが多くありますが、それぞれのデータ連携に悩んだ際は一度「TROCCO®」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社インボイス

https://www.invoice.ne.jp/

業種IT業界
設立1992年12月
従業員数234名(2021年3月31日現在)
事業内容法人向け一括請求サービス、 集合住宅向けインターネットサービス、その他