「テクノロジーで”働く”を変えていく」をビジョンに掲げ、企業の採用課題を解決するHRソリューション事業を展開する株式会社HR Force。

同社では採用マーケティングツール「Recruiting Cloud(リクルーティングクラウド)」と採用データの一元管理サービス「Azapt(アザプト)」を展開しており、それぞれのサービス開発、運営においてはさまざまな求人媒体から得られる求人データの活用、分析が重要な要素となっている。しかしデータの多くがCSV形式で出力されるため、その膨大なデータの統合に手間と時間がかかっていた。加えて「Azapt」をリリースするにあたっては、顧客のデータをデータウェアハウスへ流す仕組みが求められていた。今回は「TROCCO®︎」導入の背景にあった課題やETLツールの比較検討、データ活用における今後の展望について、Dataチームのご担当者様とAzaptチームのご担当者様、それぞれにお話を伺った。

課題・問題

データ量の多さ故に既存ツールでエラーが頻発。データ転送やエラーハンドリングの時間に課題感

株式会社HR Force DS統括部 DXグループ Dataチーム マネージャー 鈴木 凌 様
DS統括部 DXグループのミッションを教えてください。

鈴木 凌 様(以下、敬称略):事業部名の「DS」とは「データサービス」の略になっており、文字通り社内のデータ活用やデータによる意思決定、データによる売り上げの拡大を目的としています。データに関わることであれば社内調整からデータ活用戦略の立案まで担っており、転送、可視化の前のデータマートの作成まで取り組んでいます。

以前はどのようにデータ転送を行っていましたか。

鈴木:MAツールの有料オプションやRPA、社内のエンジニアがPythonで開発したパイプラインなどを活用していました。自社プロダクトであるRecruiting CloudやSalesforce、求人媒体や自社取得の求人データなどを、データウェアハウスであるSnowflakeに転送する流れです。そのため、これまでもデータの転送はできていたのですが、オンラインでは動かない、時間を指定した処理ができないなどの不便さを感じていました。

ETLツールの導入を検討し始めた背景には、どのような課題や悩みがあったのでしょうか。

鈴木:転送していたデータ量が多いため、エラーが多発したり、完了までに非常に時間がかかったりと、とにかく問題だらけでした。管理者である自分に対して「管理者に連絡してください」とエラー表示が出ることも。

人材業界におけるデータの多くはCSV形式です。おそらく10GBを超える膨大なデータサイズのCSVと当時利用していたツールでは相性が悪かったのだと思います。しかし弊社にとってCSV形式でデータを転送することが肝であったため、ほぼ毎日エラーハンドリングに2時間近く割いていました。データの転送中はPCで他の作業ができず、せっかく待っても転送に失敗するケースも起きていたのです。

なぜ「TROCCO®︎」を選んだのか

海外製ETLツールと比較検討。ポイントは、費用、コネクタ、丁寧なサポート

株式会社HR Force 事業企画部 Azaptチーム リーダー 奥井 佑威 様
ETLサービスの比較検討は、どのように進めたのでしょうか。

鈴木:「TROCCO®︎」を導入する以前、2023年2月前後から他社製のETLツールを検証しました。海外のサービスだったため、管理画面もサポートも英語で、将来的にビジネス部門の社員にもETLツールを活用してもらうことを考慮すると運用面で難しくなりそうでした。また当時は日本製のツールのコネクタが少なかったこともデメリットでした。

検証時点でのもうひとつの懸念点が、費用です。他社製のETLツールは、2つのパイプラインを運用するだけでも1週間で20数万円ものコストがかかることが判明しました。もしすべてのパイプラインを構築し、1ヶ月運用したとなれば月額60万は超えてくる計算となり、導入は見送りました。

比較検討の結果、「TROCCO®︎」導入の決め手を教えてください。

鈴木:日本企業のツールであるため、日本語でサポートいただけることに加え、問い合わせに対して丁寧にご回答いただけることが高評価でした。海外ツールあるあるですが、問い合わせフォームから問い合わせても一向に返信がこなかったり、「確認します」の返信で終わったりといったことは珍しくありません。今後、ビジネスサイドの部署へ「TROCCO®︎」を展開することになっても安心です。

TROCCO®️導入の決め手

導入までのスケジュール・過程

1、2週間でリプレイスが完了。データ活用未経験の社員にまず「TROCCO®︎」を教えた理由

株式会社HR Force DS統括部 DXグループ 田丸 瑞花 様
DS統括部 DXグループにおける「TROCCO®︎」の活用は、どのように進行しましたか。

鈴木:以前利用していたツールからのリプレイスは1、2週間ほどで完了しました。primeNumberのカスタマーサクセスの方にはSlackでサポートいただき、加えて1時間ほどレクチャーいただきました。その1時間で、悩んでいた部分を含めてほとんどの設定が終わってしまいました

「TROCCO®︎」で構築したパイプラインのなかで最も重要だったのが、クラウドストレージのBoxに格納された、CSV形式の求人データをSnowflakeへ転送するものです。ひとつ構築してしまえば、同じようなデータのパイプライン設定にも横展開できます。

その他にも、SalesforceのMAツールであるMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot 以下、Account Engagement)からSnowflakeへ、BigQueryからSnowflake、SnowflakeからBigQueryへといったパイプラインも構築しました。

TROCCO®︎導入までの流れ
鈴木様以外の方へ「TROCCO®︎」の操作方法はどのように共有しましたか。

田丸 瑞花 様:私は以前セールス部門に所属しており、データ活用は右も左もわからない状態からのスタートでした。そんな状態のまま、異動して最初に触ったデータ活用に関わるツールが「TROCCO®︎」だったことをよく覚えています。

「TROCCO®︎」の操作方法に関するドキュメントはとても分かりやすく、もし分からないことがあってもSlack上ですぐに教えていただけました。その後、さまざまなツール操作を覚えていきましたが、やはり「TROCCO®︎」のものが一番分かりやすかったです。

鈴木:一番最初に「TROCCO®︎」の操作方法を覚えるよう伝えたのは、単に「TROCCO®︎」がビジネスサイドにも分かりやすいツールであるだけでなく、「データ転送」の仕組みを理解しないとデータ活用が始まらないからです。ノーコードで設定が簡単、日本語だけでも大丈夫、最悪の場合はツールのCS担当者にサポートいただけるといった要素から最初に「TROCCO®︎」の操作方法を教えましたが、いまでも正解だったと自負しています。

合わせて、採用データ一元管理サービス「Azapt」におけるデータ活用についてもお聞かせください。

奥井 佑威 様(以下、敬称略):「データで採用の未来を描く」とミッションに掲げ、HR領域に関するデータ基盤の構築支援、データ分析支援を手掛けるサービスがAzaptです。

企業の採用担当者は、さまざまな広告媒体に求人広告を掲載しています。媒体ごとにデータも管理画面も分かれているため、一元的な管理や横断的にデータを収集したレポーティングには手間がかかります。そこでAzaptを使用していただくと、複数の求人サイトをまとめて管理でき、採用活動全体の視点から求人広告を見直せるようになります。

Azaptの技術構成としては、データウェアハウスにBigQueryを使用しています。Azaptのサービス開発を進めていくなかで、全てのデータパイプラインを自社で開発すると手間と時間がかかってしまうと感じ、サービス開発のリードタイムを短くすることを目的に、「TROCCO®︎」の導入を考えはじめました。

貴社プロダクトにおける「TROCCO®︎」の活用は、どのように進行しましたか。

奥井:サービス提供開始の1ヶ月ほど前に「TROCCO®︎」によるデータ転送設定を完了させました。リリース直前のスケジュールでなんとか間に合ったのは、「TROCCO®︎」のおかげとも言えます。求人媒体ごとにデータが転送される時間をずらしており、媒体側でエラーが起きても、すぐに対処できるようにしています。「TROCCO®︎」側の問題で転送エラーが起きたことは一度もありません。

導入後の効果

試算では毎月60時間もの削減!自社製品の早期リリースに貢献し、社長からの評価も

「TROCCO®」の導入によって、どのような成果を得ることができましたか。

鈴木:以前のデータ転送は別チームの方と私の2名が対応しており、だいたい午前中はエラーハンドリングや作業で潰れてしまっていました。週15時間、毎月60時間はデータ転送のために費やしてきました。エラー解消のためにもっと長時間かかることも珍しくありません。またデータ量の大きいCSVを扱うため、アプリケーションが落ちてしまうこともありました。

「TROCCO®︎」の導入によって、データ転送に充てていた毎月0.4人月もの作業時間を浮かせることができました。浮いたリソースは、本来取り組むべき機能開発や求人の自動作成システムの構築、業務効率化に充てることができています。

さらにデータウェアハウスからデータを確認できるようになったため、10GB以上の大きなサイズのCSVファイルを展開するためにかかっていた30分〜1時間もなくなりました。採用媒体での広告運用の精度も確実に改善しています。

またAccount Engagementのデータを「TROCCO®︎」で転送し、現在の顧客情報と紐づけてBIツール上で確認できるようにしました。リード状態から成約後までの顧客データを一気通貫で確認できるようになりました。

データ基盤構成図
「TROCCO®」の導入によって、社内にはどのような変化がありましたか。

鈴木:以前、MAツールでその会社の採用に関するメルマガ開封の有無や商談履歴まで確認できてはいました。しかし成約後のデータとはつながっておらず、どこから流入した顧客がどのように運用しているのか、どのくらい継続して利用していただいているのかといったデータが担当者しか見えていませんでした。

「TROCCO®︎」導入後、全社でデータが見えるようになり、BIツールのダッシュボードを社長が見て「私たちがほしかったのは、これだよ」との一言をもらったのが印象に残っています。

「TROCCO®」の導入によって、Azaptではどのような成果を得ることができましたか。

奥井:開発のリードタイムを短くできたこと、無事にリリースできたことが最大の成果だと考えています。BigQueryとSnowflakeの2つのデータウェアハウスを利用していますが、「TROCCO®」でデータパイプラインを構築したおかげで、Azaptではどちらのデータウェアハウスも顧客にご提供できています。データウェアハウスは簡単に乗り換えられるものではないため、「TROCCO®」によって機会損失を防げていると言っても過言では有りません

今後の展望

HRにデータの力を。テクノロジーで“働く”を変えていく

今回の取り組みを受けて、今後の展望をお聞かせください。

鈴木:人材採用は、どのような業界でも絶対に必要な仕事あり、解決すべき課題が山積しています。それらの課題を解決するためにも具体的な解決策や情報を収集する必要がありますが、すべての人事担当の方が負担が大きく、難しいと思います。

課題を洗い出し、解決策を考えていくことに対して、もっとデータを使っていくべきですし、「テクノロジーで“働く”を変えていく」を掲げている弊社が率先していきたいですね。

奥井:私もHR領域のデータ活用がより進むことを望んでいます。企業の人事担当の方はものすごく忙しいです。求人広告を出したり、データを分析したりといった業務はぜひ自動化していただき、より本質的な業務に時間を割いていただきたいですね。そのためにAzaptのユーザーさんを増やしていけるよう、今後取り組んでいきます。

今回の取り組みにおいて、「TROCCO®」はどのような存在でしたか。

鈴木:弊社がデータ活用をする時の頼れるパートナーだと思っています。ユーザーフレンドリーな製品だけでなく、primeNumberの皆さんも仲良くしてくださり、今後の事業成長に欠かせない存在です。

データ分析基盤の構築・運用は
TROCCO®️におまかせ。

ETL/ELTパイプライン構築やワークフローなどを、SaaS上で実現。データエンジニアの工数を削減して、分析やクリエイティブな業務に集中しましょう。

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株式会社HR Force

https://www.hr-force.co.jp/

業種広告・情報サービスIT業界
設立2018年2月1日
従業員数114名(2024年10月末時点)
事業内容Webを活用したダイレクト・リクルーティング事業やHR Tech領域事業、採用支援・セミナー事業など