1社あたりの平均SaaS利用数は年々増加傾向にあります。
Web会議、ドキュメンテーション、SFA/CRM、人事労務、チャットツールなど、業種や担当ロールによっては10を超えるサービスを使い分けているという事も珍しくないでしょう。
サービスやニーズが多様化している今、データ基盤に取り込みたいデータやサービスを全て公式コネクタとして網羅するのは難しい状況です。
事実、次の様な課題をこれまでに伺っています。
- TROCCOで対応していない特定分野のサービスのデータ連携が行いたい
- 自前でデータパイプラインを開発しているが運用コストが高い
- 特定のサービスに関してはデータ取得を諦めている
解決策としてのConnector Builder
この課題を解決するのがConnector Builderです。
TROCCOが標準対応していない接続先に対してもAPIを介したデータ取得を可能にする機能です。
GUI操作での直感的な設定に加え、AIによる設定補助機能も搭載しています。
これによりTROCCOの連携サービスを自ら拡張することが可能になり、活用シーンが広がります。
また、当機能で作成されるコネクタを「カスタムコネクタ」と呼びます。
カスタムコネクタが提供する3つの価値
①開発工数の大半を削減可能
標準コネクタ未対応のサービス・データソースからのデータ収集において、従来の自作データパイプライン開発と比較して大幅な構築コスト削減を実現します。
対象のAPIの構造によっては、10分もあればデータパイプラインを構築可能です。
特にデータパイプラインを自作している場合はインフラやネットワーク周りの保守はTROCCO側に任せられる様になり、設定するパラメーターやレスポンスのハンドリングを注視するだけで良くなるため効用が大きくなります。
②技術的な設定ハードルの低減
カスタムコネクタでは、APIドキュメントのURLを渡す事でその設定に必要なパラメーター構造を自動解析する機能が搭載されています。
API操作に不慣れな方、特に非エンジニアの方であってもサービスに接続してデータ収集を行える可能性が高まります。
データ基盤の整備をアプリケーションエンジニアの方が兼務で行なっている様なケースでは、運用負荷の分散も期待できます。
③標準コネクタに近い運用が可能
作成したカスタムコネクタは、他の転送元コネクタとほとんど同様に扱う事ができます。
スケジュール転送や、ワークフローへのジョブとしての組み込みなども可能で、カスタムコネクタのために特殊な運用をする必要はほとんどありません。

「転送元HTTP・HTTPSコネクタ」との違いと課題
TROCCOには元々、転送元HTTP・HTTPSコネクタが存在し、任意のサービスからAPIを通じてデータ取得を行う事自体は可能でした。今回のConnector Builderでは転送元HTTPコネクタで課題であった次の事が解消されています。
APIの利用経験がある程度なければ設定が難しかった事
APIを利用するにあたっての入力パラメーターやレスポンス(戻りの値)の構造など、ある程度コードを介して利用した経験がなければ設定項目それぞれが何を意味しているのかを判断する事が難しいというスキルの壁がありました。
Connector Builderでは、AIによるドキュメント読み込みと設定支援機能が実装されています。
APIドキュメント側の構造次第ではあるものの、読み込みが成功した場合はパラメータなど必要な項目類を推測し、設定候補として提案をしてくれます。

*本機能は生成AIを用いています。100%の実行精度を保証するものではありません。
接続管理コストが比較的高かった事
転送元HTTP・HTTPSコネクタはでは性質上、転送設定の中でその詳細設定を行う仕様になっています。
同じサービスに対して複数のAPIを使っている場合は、転送設定を個別にフォローする必要がありました。
カスタムコネクタは独立した「コネクタ」としての設定管理を行う事ができるため、サービス毎に利用APIを管理できます。
組織内での共有説明やサービス側の仕様変更に対応するためのメンテナンスも実施しやすい仕様です。

Connector Builder/カスタムコネクタの活用可能性チェックリスト
カスタムコネクタが有効になり得る状況を下記にまとめました。
ご自身の状況とぜひ照らし合わせてみて下さい。
✅ 技術要件
- 連携したいサービスにREST APIが存在する
- 認証方式がAPIキー or OAuth(認可コード/クライアントクレデンシャル)
- APIドキュメントが公開されている
✅ ビジネス要件
- 標準コネクタでカバーできないデータソースがある
- そのデータが分析・意思決定に重要な影響を与える
- 月次以上の頻度でデータ更新が必要
次のステップ
- 実践事例で具体的な手順を確認する
- ヘルプドキュメントでカスタムコネクタの作成方法詳細を確認する
- Connector Builderについて問い合わせる
- お問い合わせフォームはこちら
最後に
TROCCOではコネクタの開発リクエストを常時募集しております
カスタムコネクタの検討とともに、ぜひこちらのフォームからコネクタ開発リクエストをお寄せ下さい。
皆様にとって課題となったユースケースを教えて下さい。