データの活用がビジネスの成長に不可欠とされる現代では、データマネジメントの専門性を認定する国際資格「CDMP(Certified Data Management Professional)」は、多くのデータプロフェッショナルにとってめざすべき目標です。

CDMPは、国際的に認められたデータマネジメントを体系的に学べるDMBOK(Data Management Body of Knowledge)に基づいています。CDMPの資格を持つことで、データ管理の専門家としての信頼性とキャリアの機会が大きく広がります。CDMPの取得は、自身のデータマネジメント能力を証明するとともに、業界内での競争力を一層強化する手段です。

この記事では、CDMPの試験概要から受験方法、資格取得後のメリットに至るまでを解説します。データマネジメントのプロフェッショナルをめざす皆さんへの助けになれば幸いです。

CDMPはDMBOKに基づくデータマネジメントの資格のこと

CDMP(Certified Data Management Professional)は、DAMA(Data Management Association International)が認定しているデータマネジメントの国際資格です。CDMPは、データマネジメントに関する知識やスキルを証明するもので、データマネジメントの専門家としてのキャリアを進展させるために役立ちます。
CDMPの基礎には、データマネジメントの標準的な知識体系であるDMBOKがあります。

DMBOKは、

など、データマネジメントに必要な全ての領域を網羅するものです。

CDMPの試験は、DMBOKに基づいて実施されており、受験者のデータマネジメントに関する知識と実務経験を評価します。CDMPを取得することで、DMBOKの体系的な知識が深まり、データ管理の現場で役立つスキルが身に付きます。国際的に認知された資格であるため、キャリアアップや転職の際にも有利です。

CDMPの資格を保持することで、データマネジメントに関する高い専門性をアピールでき、企業からの信頼を得やすくなります。

CDMPの試験概要

このセクションでは、CDMPの試験概要について紹介します。

CDMPの2つの試験

CDMPの試験には大きく分けて2つの種類があります。それぞれの試験は、データマネジメントの異なる側面を評価するために設計されています。

データマネジメント基礎試験

データマネジメント基礎試験は、CDMP資格取得の第1ステップです。
データマネジメント基礎試験では、データマネジメントに関する基本的な知識が問われます。データガバナンスやデータ品質など、データマネジメントの全般的な領域をカバーしています。

データマネジメント基礎試験は100問の選択式問題で構成されており、制限時間は90分です。アソシエイト、プラクティショナー、マスターのすべての CDMP 認定レベルで必須です。
(レベルについては後述)
英語が母国語でない受験者には、追加で20分の時間が与えられます。

スペシャリスト試験

スペシャリスト試験は、特定のデータマネジメント領域に特化した知識を評価する試験です。

スペシャリスト試験では

など、複数の専門分野に焦点を当てています。

スペシャリスト試験は、プラクティショナーやマスターのレベルをめざす受験者にとって必須の試験であり、専門領域における高度な知識と実務能力を証明するものです。CDMPプラクティショナーおよびマスターレベルの認定を受けるためには、2つの専門試験に合格する必要があります。

CDMPの4つのレベル 

CDMPには、4つの認定レベルがあります。
それぞれのレベルには、異なる合格基準と実務経験の要件があります。

レベル合格基準実務経験
アソシエイトデータマネジメント基礎試験で60%以上の正答率が必要実務経験は必須ではないが、6ヶ月から5年の業界経験が推奨される
プラクティショナーデータマネジメント基礎試験と2つのスペシャリスト試験で70%以上の正答率が必要2年から10年の業界経験が推奨される
マスターデータマネジメント基礎試験と2つのスペシャリスト試験で80%以上の正答率が必要最低10年の業界経験が必須
フェローデータマネジメント分野での多大な貢献と、世界的な実績が必要。DAMAによる推薦が必要25年以上の業界経験が必要

CDMPの試験は、データマネジメントの専門家としてスキルと知識を証明する重要な手段であり、キャリアアップに役立つ資格です。

CDMPを受験する方法

CDMPを受験するには、以下の手順を踏む必要があります。受験の方法や費用について解説します。

1.公式サイトに登録

CDMPを受験するには、DAMAの公式サイトでアカウントを作成し、受験の申し込みを行います。英語が母国語でない場合は、試験時間が延長されるESL(English as a Second Language)版を選択できます。

2.必要な設備の準備

試験はオンラインで行われるため、以下の設備が必要です。

  • デスクトップまたはノートPC
  • Google Chrome
  • ウェブカメラ
  • マイク
  • 身分証明書(パスポートなど)

3.受験環境の整備

試験はHonorlock社のリモート監視システムを使用して行われます。試験を開始する前に、監視システムの設定が必要です。顔写真の撮影、身分証明書の確認、受験環境の360度動画の撮影などが求められます。

4.試験の実施

受験者は指定された時間に試験を開始します。試験は100問の選択式問題で、制限時間は90分です(ESL版は110分)。試験中には教科書やノートを1冊だけ持ち込むことが認められています。

CDMPの受験費用は、試験ごとに異なります。基本的には以下の通りです。

  • データマネジメント基礎試験: $311
  • スペシャリスト試験: $311

同じ試験を再受験する場合の費用は200ドルです。高額な受験料がかかるため、会社に勤めている場合は、会社からの補助を受けられるかどうかを確認すると良いでしょう。
また、これらの情報は予告なく変更になる可能性もありますので、受験の際は必ず公式サイトをご確認ください。

CDMPを受験する3つのメリット

CDMPは、データマネジメントの専門知識とスキルを証明する国際資格です。このセクションでは、CDMPを受験するメリットを3つ紹介します。

キャリアアップにつながる

CDMPを受験することで、データマネジメントの専門知識を持つプロフェッショナルとしての知識が身に付きます。

とくに、データガバナンス、データアーキテクチャ、データセキュリティなど、データマネジメントに関連する役職への昇進や転職活動において有利です。また、資格を持つことで、企業内での重要なプロジェクトへの参加やリーダーシップポジションを獲得するチャンスが増えます。

データ関連のポジションでキャリアを進める際に、大きなアドバンテージです。

DMBOKについて体系的に学べる

CDMP資格の受験を通じて、DMBOKに基づくデータマネジメントの体系的な知識を身に付けることができます。

DMBOKは、データマネジメントのベストプラクティスを網羅したガイドラインです。試験準備を通じて、

  • データガバナンス
  • データ品質
  • データモデリング

などの重要な概念を体系的に学習できます。データマネジメントの全体像を理解し、実務に役立つ知識を身に付けるのに効果的です。

データマネジメントの理解度を把握できる

CDMPを受験することで、自身のデータマネジメントに関する理解度を客観的に評価できます。試験結果から、自分の強みと弱みを明確に把握でき、今後の学習やキャリア開発の指針となります。

特定の領域で得点が低かった場合、知識をさらに深めることが望ましいです。自己評価を通じて、継続的なスキル向上が図れます。

また、資格を取得することで、自身の知識とスキルが業界標準に達していることを証明でき、プロフェッショナルとしての自信にもつながります。

CDMP取得のための勉強方法3選

CDMPはデータマネジメントの専門知識を証明する資格です。合格するためには、勉強の効率化が不可欠です。このセクションでは、CDMP取得のための、3つの勉強方法を紹介します。

模擬試験を解く

模擬試験を解くことから始めましょう。模擬試験を受けることで、試験の形式や出題傾向を把握できます。

模擬試験を通じて、試験の形式や出題パターンに慣らしていき、実際の試験でのパフォーマンスを向上させられます。また、模擬試験を繰り返し解くことで、自分の理解度や弱点を把握し、重点的に学習するべき分野を特定していきましょう。

模擬試験は何度も受験可能です。繰り返し解くことで弱点を補強し、試験に対する自信を付けておきましょう。

DMBOKについて勉強する

CDMPの試験範囲は、DMBOKに基づいています。データガバナンス、データ品質、データモデリングとデザイン、メタデータ管理といった主な分野の重点的な勉強が不可欠です。DMBOKの内容を深く理解することで、試験の出題範囲を網羅的にカバーできます。

英語を勉強する

CDMPの試験は英語で実施されるため、英語の読解力も重要です。専門用語や技術的な表現が多いため、関連する英単語やフレーズを覚えましょう。

日常的に英語のテキストを読むことで、試験問題をスムーズに理解できるようになります。試験対策として、英語のリーディング教材や過去問の活用が効果的です。

まとめ

CDMPは、データマネジメントの専門知識を証明する国際資格であり、DAMAが提供しています。CDMPは、データマネジメントの幅広い知識と実務経験を評価し、プロフェッショナルとしての成長促進を目的としています。CDMPの取得は、キャリアアップや転職に大きなアドバンテージとなるものです。

DMBOKに基づく体系的な知識を学ぶことで、

  • データガバナンス
  • データ品質
  • データモデリングとデザイン
  • メタデータ管理

などの重要な分野を深く理解できます。

また、CDMPの試験を通じて自身の理解度を客観的に評価でき、今後の学習やキャリア開発の指針にできます。データマネジメントの専門家としてのスキルを証明し、キャリアをさらに発展させるために、CDMPの取得を検討してみてはいかがでしょうか。
CDMPの受験を検討している方は、TROCCOを提供するprimeNumber社に一度ご相談ください。データベースの専門家が、個人やビジネスニーズに合ったCDMPの受験対策などを支援します。

TROCCO ライター

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