B2Bセールス・マーケティングの効率化において、質の高い企業情報の取得と管理が重要です。Apollo.ioは2億7500万以上の連絡先データベースと6,000万以上の企業データを持つB2Bデータプラットフォームとして、営業チームやマーケティングチームに活用されています。
本記事では、クラウドETLサービス「TROCCO」の転送元HTTP・HTTPSコネクタを利用し、Apollo.io API連携によるターゲット企業リストの自動取得・データ連携を実現する手順を具体的に解説します。
Apollo.ioの標準機能ではなくETLツールの利用が適している場面
Apollo.ioは強力な検索機能とエクスポート機能を提供していますが、手動でのデータエクスポートには限界があります。以下のような場合、ETLツールが適しています。
- マルチソースデータ統合: Apollo、Salesforce、HubSpot等の営業データを統合分析
- リアルタイム企業リスト管理: 定期的な自動データ更新による最新リスト管理
- カスタムスコアリング: 自社独自の基準で企業スコアリングを実施
- 営業KPIダッシュボード: 経営層向けのリアルタイム営業パイプライン可視化
- ABM(アカウント・ベースド・マーケティング): ターゲットアカウントリストの自動更新と配信
- データクレンジング: 重複排除、データ正規化、エンリッチメント処理
- 市場分析: 業界別・地域別の企業動向分析とマーケットリサーチ
「TROCCO」はデータ転送だけでなく、データのフィルタリング、フォーマット変換、集計、マージなどの加工処理も一連のワークフローとして自動実行が可能です。
これにより、Apollo.ioから取得した企業データを最適な形に整え、CRM連携、マーケティングオートメーション、営業ダッシュボードなど、様々な用途に活用できます。
TROCCOの転送元HTTP・HTTPSコネクタとは?
転送元HTTP・HTTPSコネクタは、TROCCOの公式コネクタがないサービスでも、公開API(REST/JSONやCSVのAPIなど)があればデータの取得ができる機能です。
- セキュアな認証設定: APIキー、Bearer Token、OAuth等の認証方式に対応
- 柔軟なパラメータ設定: クエリパラメータ、ヘッダー、リクエストボディの自由な設定
- ページング設定: 大量データの自動分割取得に対応可
- スケジュール実行: 定期的な自動データ取得
- データ変換機能: JSONレスポンスの自動パース・フラット化
転送元HTTP・HTTPSコネクタを利用し、Apollo.io API連携により、ターゲット条件に合致する企業リストの取得が可能です。企業の基本情報、業界、従業員数、技術スタック、所在地などのデータを自動で取得し、営業・マーケティング活動に活用できます。
※ 転送元HTTP・HTTPSコネクタは TROCCO の Advanced プラン以上のプランでご利用いただける機能です。
【実践編】Apollo.io APIでターゲット企業リストを取得
0. 事前準備
Apollo.io APIの利用には、ApolloアカウントでのサインアップとAPI Keyの取得が必要です。
Apollo.io APIの概要は下記です。
https://docs.apollo.io/docs/api-overview
Apollo.io APIのリファレンスは下記です。
https://docs.apollo.io/reference/authentication
Apollo.io API認証準備(API Key)
前提条件:
- Apollo.ioのアカウント(有料プラン)
- 管理者権限
手順:
- Apollo.io にログイン
- 画面右上のアカウントアイコンをクリックし、「Settings」を選択
- 左側メニューから「API」を選択
- 「Create New Key」ボタンをクリックし、Key名、メモ、必要なAPIsを選択
- APIsが選択されない場合、デフォルトでMaster Keyとして発行され、全てのAPIsに権限付与されます
- API Keyを生成
- 生成されたAPI Keyを安全に保管(再表示できないため注意)


1. Apollo.io APIによる企業リスト取得の流れ
Apollo.io APIを使用すると、以下のような条件でターゲット企業リストを取得できます。
検索条件の例:
Salesforce利用企業のターゲットリスト作成
- ターゲット: Salesforceを利用している日本企業
- 活用シーン: CRM連携ツール、セールスイネーブルメントツール、営業支援SaaSの提案先リスト作成
- ポイント: q_organization_keyword_tagsで企業内の役職キーワードを指定することで、営業責任者が在籍している可能性の高い企業を絞り込めます。
基本的なデータ取得フロー:
- 検索条件をパラメーターに設定
- Apollo.io APIにPOSTリクエストを送信
- レスポンスから必要なデータ(企業名、ウェブサイト、従業員数、業界、技術スタック等)を取得
- ページネーション設定で大量データを分割取得
⚠️ データ取得の制限事項
- 1検索あたり最大50,000件: 100件/ページ × 最大500ページまで
- クレジット消費: 1回のAPI呼び出しで1クレジットが消費されます
- フィルタリングの重要性: 検索結果を50,000件以内に収めるため、できるだけ多くの検索条件を指定してください
2. 転送設定の作成
それでは、転送元HTTP・HTTPSコネクタを利用してApollo.ioの企業データを取得してみます。
[データ転送] → [転送設定] をクリックし、[新規転送設定作成] ボタンを押します。STEP0: 転送元・転送先の選択
転送元で「HTTP・HTTPS」を選択し、転送先は今回「Google スプレッドシート」を選択します。

STEP1: 転送元・転送先の設定
今回は企業リスト検索の設定例を紹介します。
APIリファレンスのリンク: https://docs.apollo.io/reference/organization-search
- URL: https://api.apollo.io/api/v1/mixed_companies/search
- HTTPメソッド: POST
- 入力ファイル形式: JSONPath
- JSONPath: $.organizations[*]
- リクエストボディ:
{
"currently_using_any_of_technology_uids": ["salesforce"],
"organization_locations": ["Japan"],
"q_organization_keyword_tags": ["CRM"]
}
- HTTPヘッダ:
- キー:x-api-key
- 値:事前準備で発行したApollo API Key
- 必ずマスキングにチェックを入れてください。マスキングを選択した項目は、画面上やGit連携に出力する際に*****で表示され、機密情報が露出しません。これにより、API Keyなどの認証情報を安全に管理できます。


転送先の設定(Google スプレッドシート):
転送先の設定は次のドキュメントを参照して設定してください。
STEP2: スキーママッピング
「次のSTEPへ」ボタンを押すと、スキーマのカラムマッピングが自動的に実行されます。
カスタムコネクタが正しく作成されていれば、Apollo.io APIからのデータサンプルがプレビューに表示されます。

カラムの型推論とマッピング設定は自動的に行われますが、転送先のカラム名やデータ型はGUI上で任意に編集できます。
STEP3: 設定の確認・保存
設定内容に問題なければ [保存して適用] を押します。
これで転送設定の作成は完了です。

3. 転送ジョブの実行
作成した転送設定の画面の右上にある [実行] ボタンを押します。

ジョブの実行ログ画面に切り替わり転送が開始されます。ジョブが正常終了するとステータスが [SUCCESS] に変更になります。

Google スプレッドシートにApollo.ioの企業データが転送できました!
Apollo.io API連携を活用したユースケース
- ABM(アカウント・ベースド・マーケティング): ターゲット企業リストの自動生成と更新
- 市場調査: 業界別・地域別の企業分析とマーケットリサーチ
- 競合分析: 競合他社の技術スタックや企業規模の把握
- パートナー開拓: 販売代理店・提携先候補企業の発掘
- リード生成: 理想的な顧客プロファイル(ICP)に合致する企業リストの作成
- 営業ターゲティング: 特定の技術を使用している企業の特定
- イベントマーケティング: 展示会・セミナーの招待企業リスト作成
- データエンリッチメント: 既存CRMデータへの企業情報追加
よくある質問(FAQ)
Q. Apollo.io APIの利用制限について教えてください
A. Apollo.io APIは有料プランでのみ利用可能で、API呼び出しごとにクレジットが消費されます。各エンドポイントには検索結果の上限があり、企業検索の場合は1検索あたり最大50,000件まで取得可能です。
詳細な価格とプラン内容はApollo.io公式プライシングページ、APIエンドポイントとクレジット消費についてはApollo.io API Documentationをご確認ください。
Q. TROCCOで大量の企業データを効率的に取得できますか?
A. はい、可能です。Apollo.io APIには1検索あたり50,000件の上限がありますが、検索条件を地域・従業員規模・業界などで分割し、TROCCOのワークフロー機能で複数の転送設定を順次実行することで、大量データの自動収集・統合が可能です。各検索結果を同一の転送先に追記モードで格納し、スキーママッピング機能でユニークキー(企業ドメイン等)を設定することで重複を排除できます。
Q. 取得した企業データをCRMと連携できますか?
A. はい、TROCCOはSalesforce、HubSpot、kintone、Google スプレッドシート、BigQueryなど主要なCRMやデータベースへの転送に対応しています。スキーママッピング機能を使用して、Apollo.ioのデータを転送先のフィールド形式に変換し、リードスコアの自動計算や重複チェックも可能です。
詳細はTROCCO対応コネクタをご確認ください。
まとめ
TROCCOの転送元HTTP・HTTPSコネクタを利用することで、Apollo.io APIを用いた営業・マーケティングデータの自動取得と連携が実現できます。
一度設定すれば、ターゲット企業リストの更新、リードスコアリング、CRM・MAツールとのデータ連携までを自動化でき、営業・マーケティングの生産性向上に大きく貢献します。
B2Bデータ活用を効率化したい方は、ぜひTROCCOの無料トライアルをお試しください。
※転送元HTTP・HTTPSコネクタは、TROCCO の Advanced プラン以上のプランでご利用いただける機能です。

