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「#p_UG 東京:データ基盤/活用におけるAI活用紹介 ~Terraformや設計改善まで~」イベントレポート

primeNumber User Group(pUG)とは

データ活用に取り組む参加者が相互交流し、それぞれの経験やノウハウを共有し合う場として運営されています。「TROCCO」や「COMETA」というツールの範疇を超え、データドリブンをいかに組織に浸透させるかといった組織的な課題の解決方法や具体的な製品のユースケース、データ活用の経験談を共有できる場として展開しています。

pUG主催イベントはconnpassからお申し込みいただくだけで、既存ユーザーの方以外の方もご参加いただけます。

本イベントは七夕の7月7日に開催され、「データ基盤/活用におけるAIの使い方」をテーマに、ユーザー企業のみなさまによるAI活用の実践事例セッションと、TROCCOの最新アップデート・将来展望の紹介が実施されました。

今回は、そのイベントレポートをお届けします。

オープニング

イベントオープニングでは、Xポストのご案内、自己紹介タイムを行いました。

#p_UG のポストまとめから当日の様子もご覧いただけます。七夕にちなみ、受付では短冊に願い事を書いていただく企画も実施しました。

お隣の方との自己紹介タイムは、データマネジメント領域を学んだり、盛り上げたりする仲間を作っていただければと思い、毎イベントで実施しています。

Terraform Provider for TROCCO x AI で半自動化する複数プロダクトの連携運用

株式会社メドレー 人材プラットフォーム本部 データマネジメントグループ グループマネジャーの山邉 哲生氏(@beniyama)より、以前のpUGイベントでご紹介いただいた「TROCCO × Terraform × AIによるIaC化の取り組み」の後日談として、IaC化したTROCCO設定を運用に乗せる仕組みが紹介されました。

背景
  • データエンジニア2名で、フレームワークやデータベースが異なる複数プロダクトのデータ連携を運用
  • プロダクトごとにスキーマの変わりやすさや開発組織も異なり、人力での追従に限界
  • 運用の中で生まれる「ズレ」を、「TROCCOの実態とコードのズレ」「アプリのスキーマとコードのズレ」の2種類に整理
構築した仕組み
  • 2種類のズレを自動検知し、GitHub Issueによる通知と修正Pull Requestの自動生成、Terraform planの実行までをワークフローで自動化
    • 人はplanの変更点の確認・レビューに集中できる
  • プロダクトごとの差分は「ジェネレーター」という抽象化レイヤーで吸収
    • 連携方式・変換ポリシー・型マッピングをコンフィグファイルとして記述すれば、新規プロダクトもプラグアブルに連携を開始できる
  • あえて全自動にはせず、機微な情報の混入防止や影響範囲の大きい変更は必ず人がレビューする設計
    • 決定論的に対応できる領域はコードに書き切り、そのルール化・依頼内容の解釈・人が判断するための情報整理にAIを活用
質疑応答(一部)
  • AIが生成したコードの修正頻度について:雛形作りが大幅に楽になり、型に乗って運用が始まればほぼ修正は発生しない
  • 人とAIの役割分担の決め方について:変更を適用した際の下流への影響範囲の大きさを基準に、人が介在するポイントを設けている

「この数字おかしくない?」対応に追われていたのに、Claude Codeで設計改善まで着手できた話

株式会社スヴェンソン 情報システム部 エンジニアリングチームリーダーの松元 孝樹氏より、TROCCO・Snowflake・QuickSightで運用する社内データ基盤における、Claude Codeを活用した問い合わせ対応の効率化と設計改善の取り組みが紹介されました。

守り:問い合わせ対応の型化
  • 「この数字がおかしい」といった問い合わせが毎日のように届き、QuickSightの設定→SQL→Snowflakeのデータ→ストアドプロシージャと切り分ける調査に、重いケースでは1件3〜5時間を要していた
  • 頭の中にあった調査フローをCLAUDE.mdに記述したところ、問い合わせ内容を貼り付けるだけでClaude CodeがQuickSightのSQL定義、GitLab管理のストアドプロシージャ、Snowflakeの実データを調査し、原因を特定できるように
    • 実例として、親商品と按分された子商品の二重計上について、WHERE句の条件漏れまで特定
  • 1件30分〜5時間かかっていた調査が、早ければ数分、長くても10分程度に短縮
  • 属人的だった調査ノウハウが、他のメンバーでも対応できる形式知に
攻め:生まれた余裕で設計改善に着手
  • TROCCOの転送方式を完全な差分転送に切り替え
    • 100個以上の転送設定の修正は、TROCCO APIを利用してClaude Codeで自動化
  • Snowflake StreamとTaskを組み合わせ、差分転送によるデータ到着を検知してストアドプロシージャを自動実行する仕組みを構築
    • 1日100回ほど発生していた不要な実行を解消
  • 今後は、帳票ごとに乱立したKPIテーブルの一本化に取り組む予定
質疑応答(一部)
  • CLAUDE.mdの作成にかかった工数について:記述自体もClaude Codeに任せ、人はレビューに集中。一度作ってしまえば安定して運用できている
  • 差分転送への切り替えのきっかけについて:Snowflakeのコスト最適化を検討する中で、Claude Codeからの提案がきっかけとなった

AI Nativeにデータを扱うための組織・基盤のこれまでとこれから

アソビュー株式会社 データ戦略部 部長の霧生 隼稀氏(@tvw_kirimaru)より、AI Nativeにデータを扱うための土台作りと組織変革についてお話しいただきました。

土台作り:SSOT化と開発生産性
  • 「AIをデータに乗せる前に、数字が信頼でき・意味が揃っていなければ答えは出ない」という考えのもと、2つの大きな施策として「SSOT(Single Source of Truth)化」と「開発生産性の向上」を推進
  • 昨年末、SnowflakeとBigQueryの併用からBigQueryへ統一。データとAIが近い場所にあることを重視し、Geminiを中心としたAI文脈での強さが決め手に。各種データソースの統合・変換はTROCCOで実施し、設定はTerraformでコード管理
  • 意味付けの層(セマンティックレイヤー)を担うBIとしてLookerを導入。AI活用において「どんなデータがどこにあるか」を揃えることを重視
  • 変換処理はdbtへ移行中。後から導入した経験を踏まえ「dbtは一刻も早く入れた方がいい」と強調
  • dbt・セマンティックレイヤー・アプリケーションコード・データベースの変更履歴をモノレポで一元管理。すべてのコンテキストとナレッジが1つのリポジトリに集まることで、AIを活用した開発の生産性に大きく効く
AI Nativeのラストワンマイル:「問い」と「正しい数字」
  • 基盤を整えても、作り手側は「AIに何を問い合わせるべきか」が分からない。問いを持っているのは、意思決定をする人や顧客に相対する人
  • 日々「この数字を出してほしい」という依頼を受けている人=「レポートファクトリー」を見つけることが重要。その人はいわばプロンプトを受け取っている状態であり、その役割をAIエージェントに置き換えていくことを構想
  • そのための鍵が「問い」と「正しい数字」。ボトムアップで意思決定に使われるデータの精度を上げ、トップダウンで問いに答えられるようデータの意味付けとマッピングを整える「コンテキストレイヤー」を構築していく
  • セマンティックレイヤーは社内活用にとどまらず、Lookerを介したパートナー企業へのデータ提供にも展開予定
「データ基盤」から「データ戦略」へ
  • データ基盤を作るチームではなく、データを企業の差別化ポイントとして戦略的に考える組織であるというメッセージを込め、チームから「データ戦略部」へと組織を変更
  • 経営・事業のど真ん中で、データを使って事業と経営を動かしていくことを目指す
質疑応答(一部)
  • 問いの立て方について:問いを立てられるリテラシーを持つ人は実は社内にいる。PLを必ず見ている経営層や、数字をよく見ているPdMなど、キーパーソンを1人見つけて巻き込んでいくのがよい
  • 問いを持つ人にヒアリングし要件化できる人材の確保について:Claude CodeにSlack MCPを接続し、依頼が集まっているキーパーソンの業務内容を洗い出すアプローチを紹介
  • AIが返す数字の精度の担保について:ローレベルなワイドテーブルとセマンティックレイヤーで定義を揃えつつ、正確なモニタリングは既存BI、探索や傾向把握はAIと、目的に応じてツールを使い分ける
  • BIツールの選定について:外部へのデータ提供や埋め込みのしやすさ、Geminiとの相性を決め手として紹介

COMETAを用いたデータ民主化運動の歴史

登壇者の方が体調不良によりご欠席となり、株式会社サミーネットワークス ゲーム事業本部 事業推進部 事業推進課の森 和也氏に急遽ご登壇いただきました。当日のご依頼にもかかわらず快くお引き受けいただき、COMETAの全社展開の歩みをお話しいただきました。

COMETA利用の現在地
  • COMETAユーザーは45名、うちもともと分析を行っていなかった事業側のメンバーが38名
  • 月間利用回数は上限の1,500回にほぼ到達し、2026年7月からは上限を3,500回に引き上げ
  • 各アプリゲームの施策企画や振り返りなど、従来は分析チームに依頼していた業務を事業側メンバー自身が実施
展開の歴史
  • 2025年1月:データ組織メンバーで利用開始。モデリング支援やメタデータ整備の自動化が中心
  • 2025年10月:データ分析の素養があるキーパーソンのプランナーへ展開。用語集・ゴールデンクエリ・セマンティックレイヤーの整備を進め、下地を構築
  • 2026年5月:プランナー全員へ展開し、本部内で勉強会を実施。利用回数が一気に上限に到達し、「データ組織に聞きづらかったことを気軽に聞ける」潜在需要の大きさが判明
利用拡大で見えた課題
  • ユーザーからのフィードバックはほぼ得られず、合わないと感じたユーザーは静かに使わなくなる
  • サービス特有の用語・文脈を前提とした問いが多く、これまでデータ組織が無意識に翻訳していたことが判明。用語集のさらなる整備が必要
  • 想定外の利用による全レコードスキャンでBigQueryコストが急増するケースも発生。今後はプロンプトの収集・分析や、参照専用テーブルの整備によるコントロールを検討

ビジネス部門主体のデータ基盤の活用事例 SnowflakeとTROCCOが担う役割

pUG運営メンバーでもある、株式会社船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング DX部 Opsグループ Dataチーム マネージャー / DX部 AIグループ / コーポレート部 経営管理グループ 経営管理・情報システムチームの鈴木 凌氏にも、急遽ご登壇いただきました。この1年でビジネス部門が自らデータ開発を行うようになった同社の取り組みが紹介されました。

ビジネス部門によるAI・データ活用
  • SnowflakeのAI関数を活用し、単純な文字列マッチングでは対応できない、意味の理解を要する仕分け作業をビジネス部門自身が自動化
  • Streamlit in Snowflakeでダッシュボードを内製し、既存BIツールは全解約を決定
  • Snowflake Cortexにより、普段使っているSQLからセマンティックビューを自動生成し、自然言語でのデータ抽出・グラフ作成・ダッシュボード構築までをビジネス部門メンバーが自ら実施
データ基盤の「自分ごと化」を後押しするTROCCO
  • 日本語で完結する国産ツールとしての安心感と、一度見れば誰でも使える操作性
  • 定額の価格設定により、ビジネス部門メンバーがコストを気にせず試せる環境を実現
  • データ転送・dbt実行・リバースETLまでをTROCCOのワークフローで全制御
    • ツールを行き来せずエラーも一箇所で確認でき、途中で処理が止まれば後続も止まるため、古いデータが流れる事故が解消
  • 「データが揃っていない、人がいないと立ち止まるのではなく、まず動き始めましょう。取り組んで初めて、何が足りず、どこを整えるべきかが見えてきます。それを見極めることが最も重要です」というメッセージでセッションを締めくくりました

AI時代におけるTROCCOの役割: 直近のアップデートの振り返りと将来の展望

また、株式会社primeNumber イノベーション本部 プロダクトマネジメントグループ TROCCO PdMチームの西山 徹より、AI時代におけるTROCCOの方向性と直近のアップデートが紹介されました。

AIと人の役割分担を前提としたプロダクト進化
  • 生成AIにより、データ連携の設定を「作る」コストは確実に下がった一方、作った後の運用の難しさや「AIレビュー疲れ」が現場の課題に
  • TROCCOはAI向けインターフェースとしてのAPI・対応コネクターやTerraform Providerを拡張しており、GUIだけのツールではなくAIからも扱えるプラットフォームに
  • 「AIの肩に乗る」だけでなく、普遍的に正しくあるべきデータ運用は「TROCCOの肩」に乗せてほしいという考えのもと、ETL・データ転送のSaaSから、課題に気づき改善するサイクルを回し続けられる「データ運用基盤」への進化を目指す
直近のアップデート
  • スケジュール管理機能:どの設定がいつ動くかを一覧で可視化
    • 深夜0時にスケジュールが集中し、同時実行上限により処理が遅くなるといった課題に気づき、実行時間の分散やワークフロー化を検討できる
  • 処理時間分析機能・処理時間通知機能:処理時間の利用状況をSlackなどチームが見える場所に通知し、分析画面から時間を消費しているジョブを特定して棚卸しにつなげられる
  • 環境管理機能、監査ログ、チーム機能など、変更を安全に行うための機能も拡充
  • 2026年5月にはSOC 2を取得
今後のアップデート予定
  • dbtの新バージョンサポートやCDCコネクターの追加を検討中
  • ミッションクリティカルな領域(ERP連携、CDCなど)はTROCCOが責任を持って開発
  • 非構造化データへの対応も検討が進行中

懇親会

セッション終了後は、恒例の「pUGポーズ」で集合写真を撮影し、懇親会を実施しました。各セッションの質問の続きや情報交換など、参加者同士の交流が生まれていました。

次回はデータ・AI活用事例を知れる1日「pUG FES 2026」の開催が決定

クロージングでは、pUG初の大型イベント「pUG FES 2026」の開催が発表されました。

  • 日時:2026年8月25日(火)13:00〜18:40(終了後、懇親会を実施)
  • 会場:primeNumber オフィス(JR目黒駅直結)
  • 内容:GA technologies CDO 奥村さまによる基調講演、大阪ガス様・バンダイナムコネクサス様のデータ基盤の攻めと守りのバランスの取り方、ビジネスサイド(非エンジニア)の方の業務上のデータ X AI活用事例紹介、クラシコム社におけるデータ基盤の広め方、各社のTROCCOの管理方法、業界別グループワークショップなど

TROCCOやCOMETAをご利用でない方、primeNumberとお取引のない方もご参加いただけます。お申し込み・詳細は下記からご確認ください!

たくさんのご参加、お待ちしております!

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