「予実管理に時間がかかってしまい、本来の業務に集中できない…」
「各部署へのデータ確認に、毎回多くの工数が発生している…」
「上場準備に向けて、全社のデータをリアルタイムで把握したい…」
こうした課題のいずれかに心当たりがある方は、クラウドETLツール「TROCCO(トロッコ)」の導入をぜひご検討ください。
本記事では、TROCCOを活用して全社横断のFP&Aダッシュボードを構築する方法を詳しくご紹介します。予実管理の効率化、データの一元化による迅速な分析体制の実現、そして変化に強いアジリティの高い分析環境を構築する具体的な手順と、そのメリットを解説します。上場準備や経営判断のスピードアップを目指す企業にとって、実践的なヒントが詰まった内容です。
1. FP&Aダッシュボード構築における課題
多くの企業では、FP&A(Financial Planning & Analysis:財務計画および分析)業務において、以下のような課題を抱えています。
- 予実管理に手作業が多く、時間がかかる
Excelやスプレッドシートを用いた手作業によるデータ集計に時間を取られ、肝心の分析に十分な時間を割けない状況が発生しています。 - 各部署へのデータ確認に多大な工数がかかる
必要なデータを各部署に都度問い合わせて収集するため、集計に時間がかかるだけでなく、関係者の負担も増大します。 - データの分散が迅速な意思決定を阻害している
全社のデータが複数のシステムに分散しており、必要な情報を横断的に把握するのが難しく、スピーディな判断を下す障壁となっています。
こうした課題は、企業の成長を妨げる要因となるだけでなく、上場準備を進めるうえでも深刻な足かせになりかねません。
primeNumberでも、組織や事業の急拡大に伴い、SaaSなどの新しいサービスを段階的に導入・移行してきましたが、その過程で手作業による運用や、データの追跡に人手が必要になる場面が多く発生しています。また、複数のSaaSを介してデータが流通することで、データのリネージ(生成元や流れの履歴)を完全に追い切れないケースも発生します。
スプレッドシートでの運用では、「この項目はこのCSVからこう取り込む」といった初期作成者の意図が明文化されていないことも多く、引継ぎやデータ統合の際に大きな障害となります。
さらに、組織が拡大し部署が増えるにつれて、統合業務を担う担当者が各部署に個別ヒアリングを行う必要が出てきます。管理職に尋ねても現場担当者しか把握していない数字も多く、確認作業に数日を要してしまうことも珍しくありません。
2. TROCCOとは?
TROCCO(トロッコ)は、ETL/ELTによるデータ転送、データマートの生成、ワークフローの管理といった、企業のデータ活用に必要な機能を網羅したデータ分析基盤です。
多様なデータソースに対応した豊富なコネクタを備えており、複雑なデータ統合もスムーズに実現できます。企業のデータ利活用を強力に支援します。
主な機能
- データ転送(ETL/ELT)
さまざまなデータソースからデータを抽出・変換し、データウェアハウスやデータレイクに自動で転送します。 - データマート生成
分析に必要な形式へデータを加工・集計し、すぐに活用できるデータマートを構築します。 - ワークフロー管理
データ連携処理のスケジュールや順序を自動化し、効率的かつ安定した運用を実現します。
今回使用する主なコネクタ
- Salesforceコネクタ:顧客管理や営業活動のデータを自動連携
- freee会計コネクタ:会計データや財務諸表を連携
- RDBコネクタ:既存のリレーショナルデータベースと連携
- BigQueryコネクタ:BigQuery上のデータを他ソースと統合
3. TROCCOを活用したFP&Aダッシュボード構築の3つのメリット
クラウドETLツール「TROCCO(トロッコ)」を導入することで、FP&A(財務計画・分析)ダッシュボードの構築において、業務効率と意思決定スピードを大きく向上させることが可能です。ここでは、特に注目すべき3つのメリットをご紹介します。
1. 予実管理の効率化で本来の分析業務に集中できる
従来、Excelやスプレッドシートで行っていた手作業によるデータ集計は、担当者の工数を圧迫し、分析の時間を確保しづらい課題がありました。TROCCOを活用すれば、各システムからのデータを自動で連携・集約でき、集計作業を大幅に削減。これにより、財務・経営企画担当者はより高度な分析や戦略立案に集中できるようになります。
2. データ集約によるリアルタイムな経営分析が可能に
全社のデータを一元管理することで、必要な情報をリアルタイムで取得し、迅速な意思決定を下すための基盤が整います。営業、経理、マーケティングなど部門ごとのデータを横断的に可視化できるため、経営状況を多角的に把握し、変化に即応するデータドリブンな組織運営が実現します。
3. アジリティの高い分析環境で市場の変化に強くなる
近年のビジネス環境は変化のスピードが早く、従来型のレポート体制では柔軟な対応が困難です。TROCCOを用いたFP&Aダッシュボードなら、必要なデータを必要なタイミングで取り出し、状況に応じた柔軟な分析が可能に。将来の不確実性に強い、機動力のある意思決定体制を構築できます。
4. TROCCOによるデータ連携の流れ
TROCCOによるデータ連携に必要な接続設定は非常に簡単です。
1.各種データソースとの接続設定
TROCCOの画面から、Salesforce、freee会計、RDBなどのデータソースとの接続を設定します。TROCCOではGUI(管理画面)上で簡単に設定ができるため、スムーズな接続設定が可能になります。
※今回は「freee会計」を選択
2.必要なデータの選択と転送設定
連携したいデータ項目を選択し、転送先のデータウェアハウス(RedshiftやSnowfalek、 Databricks、 BigQueryなど)やデータレイクなどを設定します。
※現在のデータウェアハウスやデータレイクを利用しているのかわからない場合は、企業の情報システム部門と連携する事で判明します。
3.自動連携スケジュールの設定
データの更新頻度などを設定すれば、あとはTROCCOが自動でデータ連携を実行します。
TROCCOでは、(分・時間・週)など様々な更新頻度を選択する事ができるため、見たい情報の更新頻度を調整することでデータ処理を一定時間に集中してしまうリスクも回避できます。
5. データ連携後の活用:FP&Aダッシュボードによる分析
TROCCOで連携したデータは、BIツールなどで可視化することで、様々な分析や業務への活用ができます。
月次予実分析:実績と予算のズレを早期に把握し、改善アクションへ
月次の売上や費用を予算と比較するだけでなく、ズレの要因分析が重要です。部署別やプロジェクト別など粒度を変えて可視化することで、早期の打ち手判断や今後の計画修正にもつながります。また、定点観測の仕組みを持つことで、収益改善のPDCAが回しやすくなります。
次月見込把握:感覚値に頼らない、精度ある売上予測へ
営業現場の進捗やパイプライン情報をベースに、次月の売上見込みを数値化します。複数部門の情報を統合することで、確度の高い予測が可能になり、必要な予算調整や施策判断を前倒しで実行できます。現場と経営の目線を揃えるための基盤としても重要です。
予算進捗度把握:未執行の早期発見とリソース配分の最適化
予算は執行してこそ意味があります。部門ごとの進捗を定期的にチェックすることで、未消化予算の活用方法や、執行過多によるリスクへの対策が打てます。実績と予算の比較だけでなく、将来の支出見込みまで含めた動的な進捗管理が求められます。
経理業務の効率化:煩雑な照合作業からの脱却
請求書や入出金データ、稟議情報などを一元的に突合することで、経理部門の工数は大幅に削減可能です。月末・四半期末のピーク業務を平準化し、締め処理や決算のスピードアップにもつながります。属人化のリスクも下げられる点がポイントです。
高度な分析:戦略的な意思決定を支えるファクトベースの視点
単なる数値の集計にとどまらず、人件費構造の変化、KPIに基づく費用配賦、費用増減要因の可視化など、より踏み込んだ分析が可能になります。過去の傾向と未来の見込みを同時に俯瞰できるようになることで、経営判断の質が格段に向上します。
6. primeNumberが目指すFP&Aダッシュボード化
primeNumberでは、財務データをはじめとするあらゆる企業データをリアルタイムかつ横断的に把握できるFP&A(財務計画・分析)ダッシュボードの構築を推進しています。予実管理や経営判断に必要な情報を一元化し、属人的な作業や手集計から脱却。柔軟かつスピーディな意思決定を支える分析基盤を整備することで、全社のアジリティと成長を加速させることを目指しています。
■{内容}のイメージ図
7. セミナー・お役立ち資料
primeNumberが提供しているお役立ち資料とセミナー情報を紹介します。
お役立ち資料:経営/事業KPIの可視化(データ分析基盤構築ユースケース)
この資料では、レベル別のKPI可視化方法について、メリット・デメリットに触れながらご紹介。そのうえで「データ分析基盤を構築してダッシュボード化(可視化)するメリット」と「それを実現する基本構成」についてお話しいたします。
アジェンダ
- 経営/事業KPIを可視化する必要性とは
- 経営/事業KPI可視化ダッシュボード例
- 導入レベル別・KPIの可視化方法
- データ分析基盤を構築し、持続的で鮮度の高いKPIモニタリングを実現
- 具体的なアーキテクチャ
- TROCCO®︎を活用するメリット
事例から学ぶデータドリブン経営とCFO組織の取組
本セッションについて
データドリブン経営を推進する上でCFO組織の役割にも変化が生じています。
FP&A(Financial Planning & Analysis)をCFO組織に設置し、各事業における財務/非財務の目標設定や分析を行うビジネスパートナーとしての役割・機能を担うという考え方です。そしてこれを実現するために財務/非財務に関わらず必要なデータを収集・分析する基盤の整備が重要になります。そこで本セッションではこの領域の実践者をお招きし、弊社の自社事例もご紹介しながらCFO組織の在るべき姿を考察していきます。
このセミナーでわかること
- FP&Aによるデータドリブンな経営のの推進方法
- CFO組織を戦略的に進化させる考え方
- データ一元化と部門横断的活用の必要性
9. まとめ
TROCCOは、FP&Aダッシュボード構築に伴う複雑なデータ連携や手作業の煩雑さを解消し、企業の意思決定スピードと成長力を飛躍的に高めるクラウド型ETLプラットフォームです。データ転送から変換、ワークフローの自動化までをGUIで簡単に実現できるため、専門知識がなくても、最短5分で本番レベルのパイプラインが構築可能。
リアルタイムでのデータ可視化により、予実管理や上場準備といった戦略的業務に集中でき、組織全体のアジリティを高めます。また、初期投資不要・無料プランから始められる手軽さも魅力であるTROCCOで、会社のデータ活用を本格的に取り組んでみませんか?
